2016年8月5日金曜日

76FXE エンジン分解点検

Oさんの76FXE

他店でエンジンオーバーホールされてまだ慣らし終わったばかり(約3000キロ)の頃でしたが

エンジン異音等どうしても気になることが多いので一度全バラして確認してください。とのご依頼。

かなーり前の話ですが長いことお待たせしてすみませんでした・・・

言いたいことはいっぱいあるのですが、またまた余計な誤解を招かないよう言葉に気を付けながら。。。内容報告していきます。
前回のオーバーホール時にシリンダーは純正の新品で組んでもらってますとお聞きしていましたが…

ガスケットの密着痕がえらい不均等です
恐らくヘッドが歪んだままなのでこんな感じになってるのだと思います。

で、リターンのオイル通路からオイル漏れてました。

この場合エンジンの外側では無く内部に吸われて漏れてる状態です。
シリンダーが新品ならもちろんピストンも新品が組まれていると思うのですが・・・

新品?
かなり焼けて傷だらけです。

組み方や考え方は人それぞれなので何も否定はしませんし自分が正しいとも思ってません。このショベル、クリアランスは広くないとダメって力説されてる方が組まれたエンジンなのですが。。。
どうあれ3000キロでこんな状態ではマズいと思います。
シリンダー内部、前後共傷だらけでした。

原因はクリアランスどーのこーのでは無く・・・

後ほど報告致します。
クランクケース左右の合わせ面も結構段差ありましたので要修正。
カムとピニオンギアはショベル後期のがく組まれていました。
オイルポンプのギアが・・・

かなり指痛いくらい力入れないとまわりません。
クランクケース分解して点検。

オイルが金属粉でギラギラです・・・

そう言えば以前オイル交換こられた時もオイルタンク内部、かなり金属片や金属粉でいっぱいでしたね。。。

どうやらオイルタンク内部の異物などは前回のオーバーホール前から残っていた物では無さそうです。。。
クランクケース底部とフライホイールが干渉してます
ここも。。。
製造時の鋳型不良で物凄く大きな塊がでっぱっててここもフライホイールと干渉して削れてます。

先のピストンやシリンダー内部の傷はこの辺からの金属片や金属粉の影響もあるのだと思います。
ピニオンシャフトのベアリングローラーが付く部分

嫌なアタリ加減です。


ベアリングローラーも焼けて傷だらけ。
クランク芯出しは現状こんな感じでした。

一度組んで走ってバラしたらこんなもんなんでしょうか?
とか思いましたが軽くはんまーで叩いただけでフライホイール分解出来てしまいました。。。
フライホイールワッシャーは交換されてなかったので交換致します。
クランクピンも交換されてない感じですがフライホイールにハマるテーパー部が激しく傷だらけで凸凹です。

これでは芯出し後に最終増し締めしてもテーパーが密着せずすぐにクランクの芯がズレてしまいそうです

シャフトは交換しますがこのシャフトの影響でフライホイールのテーパー穴が傷んでないか心配です
コンロッドローラーのケージも焼けて終わってたので交換します。


フライホイールとシャフトの直角点検
だいぶズレてました。


写真でわかりやすいように色で表してるだけです













クランクケースの中央部、鉄の鋳込みのガタ点検
ケース熱々状態で手で触った感じではガタ無さそうでしたが。。。

プレスで固定してケースをグラグラやってみたら・・・

ガタがあるとまでは行ってませんが微妙に鋳込みとケースのすきまからオイルが出たり戻ったり。。。

エンジンオーバーホールして少ししか走ってませんが早めにエンジン分解を決心されて良かったですねと言う感じでしょうか・・・

こちら鋳込みの初期ガタ直しておきます。

外注機械加工での修理になるのでここで作業が大幅にストップしたような記憶が。。。