2015年1月25日日曜日

ショベルの腰上オーバーホール。

エンジン腰上オーバーホールとピストン交換&シリンダーボーリングのご依頼で
部品のみお預かりしていた兵庫のFさんのショベル作業報告です。

 ロッカー点検。スラスト自動調整のウエーブワッシャーが組まれているとお聞きしていたので嫌~な予感がしていましたが。。。

やはり、スラストがキツ過ぎます。

バラシて組むとこんな感じで手では動かせないくらいキツイです。



ウエーブワッシャーはここに入っていてワッシャーがバネのような働きをすることでスラストを調整してくれると言う物らしいのですが。。。

当店ではこのタイプは使用しないのでノーマルの状態に戻してスラスト調整致します。
1か所既にこのウエーブワッシャーが粉砕して無くなってましたがそうなるとこんなに隙間ができてガタガタになります。

と言うことでこのウエーブワッシャーは強度的にも難アリです・・・。
ロッカーアームのブッシュ交換。
その間にバルブガイドを抜く準備でヘッドをしっかり温めておきます。


ヘッド温めている間にブッシュ入れ替えしてリーマー加工。
シャフト測定して

クリアランス点検。

ここのリーマーは1種類しか持ってないのでシャフトが摩耗してクリアランス保持できない場合はシャフトを交換させて頂きます。

今回は元のシャフトを使用しています。
スラスト調整まで完了。
 バルブステムとロッカーアームのアタリがかなりおかしなことになってます。。。

この場合、多くはバルブガイドが入れ替えされた時に斜めになってしまっていることが多いのですが。。。

今回もそうでした。


 バルブステムとガイドのクリアランスもかなりひろかったのでガイド&バルブ交換。
 ガイド抜いて点検。

ガイド圧入穴の歪み痛みが酷いのとバルブシートとセンターがあってないということでその場合は外注にて機械加工でガイド穴修正していただきます。
ロッカーカバーの歪み修正
 シリンダーボーリングが加工屋さんから帰ってきました。

シリンダー上下面の歪み修正のみ依頼していましたが。。。

コレ、前後でシリンダー長が0.2ミリぐらい違ってるから研磨ついでに長さもあわせておきますね。  と加工屋さんからしっかりご指摘いただきました。。。

こういうのは加工屋さん出す前に私が点検して作業指示しとかなあかんのですが。。。確認不足で何ともお恥ずかしい限りです。
 シリンダー上下面共にしっかり面研磨して良い感じに仕上がってます。

今回は部品のみのお預かりで腰下は現状とのことでしたのでピストンとシリンダーのクリアランスはあまりキツくしていません。
 斜めなってるバルブガイド穴を修正して入れ替えると。。。

かなりのシートカットが必要になるのでバルブステムの突き出し量オーバーしてしまうことが多いです。

と言うことで今回インテークは前後共にシートリング製作入れ替えしてのシートカットと摺り合わせです。


 バルブは4本ともKPMのブラックダイアモンドを使用しています。

バルブガイドは鉄鋳物で製作入れ替えしています。
 バルブスプリング圧を点検。


 ロッカー組み付けて増し締め。

オイルをブリブリ送り込んでロッカーの目玉も組み付け。

フロントのエギゾーストのみまだ目玉とOリング組み付けしていません。

エンジン組み付け完了後にオイルがフロントエギゾースト部まで来てるの確認してからOリングと目玉を組み付けてください。







ピストンとリングのバリ取り面研磨・・・写真撮り忘れてしまいましたが
部品を見て手で触っていただければちゃんと加工修正しているのはわかって頂けると思います。

ピストンリングのギャップは許容範囲内で点検確認しております。

特に前後どちらと関係なく組み付けてください。