2014年11月11日火曜日

57FL クランクケース修正

 こちら愛媛県のBさんの57FL.

左右ともクランクケース中心の鋳込み部分全て新しく作り直されていたのですが
 レフトケースのベアリングレース圧入穴の内径が酷く削られておりベアリングレースが常温でもガタガタに空回りしてしまっておりました。

スペシャルな加工が施されておりますが恐らく左右のセンターが全然あってないんじゃぁ・・・

と心配しつつレフトケース圧入穴を加工修正致します。
もはやクランクケースのどこにも基準となる箇所が無く悩みに悩んだ結果。。。

ケース左右センター合わせのラッピングに使用するプレートを使うことに。

まずはプレートの水平出してピニオンシャフト部のセンターで設置。
 そこに左右合わせた状態で組んだクランクケースを固定。

先ほどのプレートのセンターとピニオンシャフトベアリングレース圧入穴のセンターを比べます。

・・・

いきなりショックな数値がでました。

予想を遥かに超えて全然センター合ってません。
 続いてそのまま上に移動してレフトケースのレース圧入部とのセンター比較。

こちらの方も大きくズレていましたがピニオン側に比べればまだマシでした。

仮にこの状態でセンター合わせのグリグリラッピングやったとしたら。。。

センター合う頃にはピニオンレース内径がめちゃめちゃ広くなりすぎて一番大きなオーバーサイズのベアリングでも全く無理って感じです。

もはやどうしようもないのでこの状態を基準に切削加工致します。
 慎重に慎重に。。。

センター合ってないのでかなり部分的にしか刃物が当たっていません。
反対から見ると全く当たってません。
最小限で全面切削。

このフライス、結構大きいですがこの状態で刃物付けたら切削可能な高さギリギリです。

この状態でレフト側の加工終わったらケース割って(ピニオン側ケースとプレートは固定したまま)ピニオン側をオーバーサイズのレース外周寸法に合わせて加工致しますが。。。

イースタン製の一番大きいオーバーサイズのレースでもセンター合わせられるかどうかギリギリなところです。。。




正直言えばこのままバラさずピニオン側も切削加工してこのまま左右のベアリングレース圧入して
グリグリラッピングまでやりたいのですが。。。

さすがに無理ですね。。。

何とか頑張ります。


とか何とかあっさり作業報告終わってしまいましたが
今回のような加工修正は非常に難しいのです。

加工自体はもちろん難しくないですが
何を基準にどう固定するかとか水平だの垂直だのセンター合わせだ何やかんやと
切削加工に至るまでがとにかくいろいろ大変なのです。。。


と・・・知ったようなこと言っちゃいましたが
この加工やってるのは僕じゃなくて外注機械加工屋さんです・・・。

当店ハイレベルなお店じゃないので、、、と言う理由は
こういった機械加工を外注に依頼してるからです。

こういう加工も自分で全て出来るようにと言うのが
もちろん常の目標ですがなかなかそう簡単には行かないので

外注加工屋さんと一緒にあーでもないこーでもないと頭抱えながら
様々な不具合のあるケースやヘッドなどの加工修正をやっております。

予定外なことがあってピニオン側の切削加工は明日になりそうです。