2014年8月31日日曜日

クランクケースの合わせ その2

こちら愛媛県のBさん57パン。
クランクケース左右共にかなりの加工が施されていましたが
それが原因でかなり致命的な状態だったため悩み悩んでかなり放置してしまっておりました。


 鉄の鋳込みにガタがあってプレートでガタを抑えてるのかな?と思ってたこの部分。

何とプレートでは無く鉄の鋳込み部分全て取り除かれて一体型の物が圧入されておりました。

こんな凄いハイレベルな修理されてるのに。。。

何故にベアリングレース圧入部は雑な加工で穴直径が大きすぎてレースガタガタに動いて空回りしてしまってるのでしょうか・・・。
 もしかしてと思ったらピニオン側も同じく鉄の鋳込み取り除いて新たに作り直された物が圧入されておりました。

こちらはベアリングレース、しっかり圧入出来てる感じでしたが・・・

左右のセンターが結構ズレてます・・・

さて。。。打ち合わせどうりの作戦でうまく機械加工で修正出来ますでしょうか・・・。

カムブッシュはやはり圧入甘くて空回りしてしまってました。
 ケースの合わせもガッタガタでかなりひどい状態でした。

過去にケーススタッドナットが緩んだまま長年走行されてたことがあったような痛み加減です。

かなり時間かかりましたが左右の合わせ修正加工は無事完了。

オイル漏れませんように・・・。
カムカバーとの合わせ面も点検。

???

めちゃめちゃ歪んでます・・・。
 この辺のがっつりと溶接肉盛り修正されてるのが歪の原因でしょうか?

こちらも何とか無事に面研修正出来まして・・・
 やっとケース合わせ組み完了。

シリンダーデッキ面もかなり左右でズレています。。。

と言うことでこの状態で外注機械加工にて
センター穴の修正とシリンダーデッキ面の面研磨致します。

もちろん仮組してるシリンダーとスタッドボルトは取り外しての修正加工です。

なかなか・・・手ごわそうです。。。

こちらはIさんの95FX

EVOなら全然。。。

。。。?

ケース全くピッタリ合いません。。。
 締め付けなしで合わせた状態だと・・・

写真ではわからないですがケース合わせ面(下面)。。。浮いて隙間が出来て光が漏れてます・・・

EVOでもあかんのか・・・

どこが高くてどこが低くてどう歪んでるのかをしっかり考えつつ・・・

加工修正致します。



フロント右側の2本。

シリンダースタッド穴が何かで修正されてますが状態悪すぎて何で修正されているのかわかりません。。。
さすがにこのまま組むのは怖いのですが。。。

これ、スタッド抜いても大丈夫でしょうか・・・。
 そんなこんなで今年は本当にクランクケースが難アリで作業ストップしてしまってるのが多いです。。。

こちらのショベル3台もその理由で作業止まったまま…


 余談

お店の入り口付近にドーンと置かれてるパンヘッド。

渡辺さんのパン、これです。

リアドラム&ホイール、オイルタンク、ガソリンタンク、フロント廻り一式(35のナロー)などなど、部品は全て揃ってるので早く車体完成させて一度見に来てもらえるよう・・・

何とか。。。
こちらは当店在庫のアーリー。

ほぼオリジナル状態でしたが・・・

エンジン&ミッション下ろされ、いつの間にやらチョッパーベースになってしまってます。。。

そろそろ売ってしまおうか・・・

とか思いつつたぶんまだ売りに出しませんが。。。

そんなこんなでクランクケースの左右合わせはなかなか大変です。。。

2014年8月30日土曜日

66FLH ,残りの作業報告 その1

66FLHの作業報告続きなのですが・・・

何故に写真消えてしまったのでしょうか・・・

最後はかなり中途半端になってしまい申し訳ないですが
残りの作業報告です。。。
 何故?と疑問に思うくらい摩耗が激しすぎたロッカー周辺。

まずはブッシュを全て取り外します。

この合わせタイプのブッシュはどうも好きになれません。。。
 シャフトは4本とも激しく痩せてしまっているので残念ながら全て交換致しました。



 ブッシュ圧入後はリーマー加工。

慎重に・・・
 元の激しく摩耗したシャフトだとリーマー加工した時点で・・・

ブッシュとのクリアランスがかなりガタガタです。

これでは油圧がしっかり維持できないので危険です。
 ロッカーアームのバルブステムとの接触面。

何か加工されててステムとのアタリがかなりおかしいです。

ここは加工されてるとかなり厄介です。。。

加工されてない純正とじっくり見比べながら何とか修正したのですが、なかなかそう簡単には上手くできるはずもなく・・・
実際に組んで走って3、4回バラして点検修正繰り返してだいぶ良くはなりましたがまだ何か変なメカノイズが気になります。。。

正直言うと交換したい感じです・・・
 サイドスラスト調整点検して
ロッカーアーム部は完了。
 こちらもちょっと厄介なピストン。

交換すれば良いだけの話なのですが・・・

元々今回の作業はオーバーホール前提では無く、あくまでもオーバーホールされたエンジンの組み直しと言うことでしたので・・・

敢えてひたすら加工修正繰り返してピストンはそのまま使用致しました。
 ピストンリングはあまりにもギャップ広すぎたので交換致しました。

これだけギャップ広いと圧縮抜けてキック軽い軽い感じがするのですが。。。

何故重かったのでしょうか?

と言うかプラグ外しててもキックいまいち重かったらしいので・・・

圧縮云々以前の何か問題ありですね。。。
 今回もオーバーサイズのリング加工でリングギャップ調整して組み付けます。

この場合リングの張力がかなりキツ目になってしまうので慣らしはかなり慎重にやらなければなりません。

と言うことで慣らしの間この張力とオーバーサイズ加工故のアタリの悪さが原因でキックが少し重いことはよくあります。


 普段のオーバーホールならばこんなことはほとんどしないですが・・・

こちらもロッカーアーム同様に走ってはバラしてまた走ってはバラしてアタリ点検して加工修正繰り返して・・・

だいぶ良くはなりましたが・・・。

精度悪すぎなピストンは大変です。。。

新品でこれなら間違いなくクレームで返品するくらいのレベルでした。。。
 シリンダー内部は軽くホーニングのみ。

シリンダー下面の歪みが酷かったので外注機械加工にて面研。

合わせてスリーブ内部との直角具合もよくなかったので修正。
 ブラストあてて。。。
 耐熱塗装。

今回初めて使用した耐熱塗料。

艶ありブラックって書いてあるんですが・・・

これはどうみても艶消しと半艶の間ぐらいじゃないでしょうか。。。
 タペットブロック。

見事に真っ二つにクラック入ってました。。。

ここのクラックはよく見ますがこれ程までに下から上までバックリ割れてるのは初めてみました。。。

今回は純正の中古のに交換致しました。
 タペット、縦傷が気になりますが・・・

敢えて少し加工修正してこのまま使用します。

何故が1個だけ交換されておりました。
 タペットローラーは恐らく交換されてるようでしたが・・・

ピンのカシメが弱い感じがしたのと

何やら異物を噛みこんだのかわかりませんが少し回りが悪いので交換致します。
 新品のローラー。

とりあえずバラして。。。
洗浄して確認。

結構ゴミ入ってたりします。。。
 タペットブロックも耐熱塗装。
油圧ユニットは元々組まれていた物を使用しました。
 ヘッドはかなり歪みが酷かったので修正。

旋盤で切削しただけでは刃物の筋が結構残ってしまうので。。。

赤くペイントしてるのは・・・

確かフェイスブックにアップした時に歪と切削具合を説明しやすいように塗っただけです。
面研磨追加で完成。
 キックアームのシャフトとブッシュはガタガタでオイル漏れ漏れでしたので・・・
 シャフトはかなり痩せて編摩耗ひどかったので交換致しました。
ブッシュ入れ替えてリーマー加工で。。。
完成。
キックギアは元々組まれていた上の方を使用しました。

ギア比の関係で上の方がキックが重くなると聞いてたのですが。。。あまり違いがわからなかったです。

重いと言うかキックが蹴りにくい感じはしました。
















カム周辺の作業報告もアップしましたが下書き保存の関係で
先のブログより前に更新なってました。

http://wow-mom-wow.blogspot.jp/2014/08/flh_10.html


2014年8月29日金曜日

S&S EVOのクランクケース合わせ修正加工など


今日、大神戸サンのブログを見て気が付きましたが・・・

66FLHの作業報告は既に全部終わってると思ってましたが
途中で下書き保存のまま放置してました・・・。

しかも何故かいっぱい撮りためてたはずの写真が。。。無い

写真ある分だけでも後で更新致します・・・。

大神戸サンのBLOG
http://daikoube.blogspot.jp/2014/08/20141566flhoh.html


こちらNさんとKさんのS&S製EVO用ビックボア新品クランクケース。

もったいないですが組み込まれてるベアリングレースを取り外してケース合わせなどの準備致します。

ここのベアリングレースやピニオン側のレース、スタッドなど組み込まないままでもオーダー可能なのですが・・・

組まない状態で注文する方が6、7万高くなるという意味の分からないS&Sさん。

何故???
いつものことですが・・・

左右のケース合わせ、カタカタなってきちんと合いません・・・。

ボルト穴周辺、かなり盛り上がってます。

まずはこの辺を修正してから左右全体の合わせ面を修正加工致します。
これもいつものことですがS&Sのケースに付属されてるスタッドボルト。

かなりキツく叩きこまないと入らない状態です。

何故かいつも左下のスタッド刺さってない所は穴が大きくてスタッドがガタガタ状態で入ります。

キツ過ぎず緩すぎずスタッドが挿入できるようにスタッドを修正してケース組みます。
シリンダーデッキ面の合わせも・・・イマイチです。
とは言え一度はケース仮組しないとシリンダーデッキ面の修正はできないのでシリンダーとヘッドも仮で組んでクランクケースのスタッド&ボルトナットを締め付けます。

NさんのS&Sヘッドお借りしました・・・




で、こちらはNさんのクランクケース。

同じようにスタッドはキツくて入らないので修正。

左下部は同じくガタガタ。

しかしこちらのケースは左右の合わせ歪が酷過ぎて修正加工がだいぶ時間かかりました。

Kさんのと同じようにヘッドとシリンダー組んでクランクケースを組みつけます。


こちらはピニオンシャフトベアリングのレース入れ替えでオーバーサイズのレースを使用するため外注機械加工に出していたYさん80FLH。

加工から戻ってきたので(だいぶ前ですが。。。)レース圧入して加工の準備致します。

JIMS製のオーバーサイズレース。

何か形が変わりました。。。

この形状のは。。。圧入やりずらいし加工後の洗浄がかなり大変なので苦手です、、、


こちらは次から次へと問題続出だったUさん70FLHのクランクケース。

ピニオンレース圧入部の鉄の鋳込みがガタガタだったため修正。
 80FLHと70FLH、ピニオンレース圧入後に・・・


クランクケース左右合わせ修正加工してケース組んでセンター合わせグリグリ加工の準備。
70FLHのケースは左右合わせの歪が酷過ぎたため外注にてフライスで合わせ面を面研したのですが・・・

当然シリンダースリーブがはまる面が小さくなります。

シリンダーがギリギリはまりません・・・

と言うことでケース組んだ状態でセンター合わせ加工終わらせてからシリンダーデッキ面の面研機械加工と穴広げ加工致します・・・。

 こちら車検でお預かりのKさん80FX.

ロッカーカバーのガスケット交換を依頼されてたのですが・・・

バルブが完全に焼き付いてしまってます。

2、3年前にエンジンオーバーホール致しましたが・・・

そう言えばオーバーホールしたのはピストン&シリンダー含む腰下のみで腰上は他店でオーバーホールされてたので点検洗浄のみでした。
 ブロンズ系のバルブガイドにマンレイのバルブ・・・


最近車検だけ、ちょっとの点検修理だけの予定でお預かりした車両が予定外に大きく修理などが多すぎてかなりマズい感じです。

と言うことでこちらも予定外なKさんヘッドを急いでオーバーホール。

バルブガイド入れ替え(鉄鋳物)バルブ交換、シートカットにすり合わせで完成。

ロッカー周辺も念のためバラして洗浄点検致しましたがこちらはOKでした。
明日には完成で週明け車検行ってきます。