2012年4月2日月曜日

昨日の追加報告

本日は休みでした(基本的には月曜日が定休です)

昨日の4台のクランクケースバラしてた時の報告追加です。

まずは59FL.

数年前にオーナー様から相談頂き夜逃げ寸前だった某有名ショップから何とか取り戻してきた車両。外装一式、エンジン前後腰上一式、ミッション&プライマリー一式など既に部品どりされてたかわいそうなパンヘッド。
あげくの果てには輸入書類一式行方不明。。。

何とか協力しますと約束しながらも常に自分とこの仕事だけでもいっぱいいっぱいなので気がつけばもう何年たったでしょうか・・・

長~いことお待たせしてすみませんでした。。。
ハイパフォーマンステクノロジー、エンジンオーバーホール100万円~の某有名ショップにてオーバーホール済みの腰下をバラします。

私、そこのショップの内情を誰よりもよく知ってるだけにある意味バラすのも不安がいっぱい。

オイルポンプ組んだ状態で通常このギアは軽くスムーズに回るのですが・・・

全く回りません。
 オイルポンプ分解。

液体パッキンがモリモリです。

この液体パッキンは乾くとガチガチに固まるタイプです。
オイルポンプギアにもベットリついて固まってます。

S&Sのオイルポンプでしたが・・・
ギアは完全に寄せ集めでクリアランスもバラバラです。

さすが【はいぱふぉーまんすてくのろじー】
何かおかしいピニオンベアリングユニット。

ちなみに各部クリアランス、クランク芯出し、全てめちゃくちゃでした。

こんな感じの車両を当時そのショップから5台ほど救出させていただきましたが未だに車両もお金も戻らないままの人もいっぱいいるんでしょうね・・・

各部しっかりすっきりオーバーホールやり直して早くオーナー様の元へ届けたい。




こちら73FX。

純正ケース加工のビックボアは何度見ても怖いです・・・
スプロケットシャフトのスプラインがガタガタになってます。

スプロケナットが緩んでたり締め方おかしかったりの場合よくこうなります。

一度こうなってしまったら何度増し締めしてもすぐにナットが緩んでくるので残念ながらシャフト要交換です。

せっかくクランクまでバラしたからスプロケットベアリングも交換した方が良いと思いますがどうでしょうか・・・?
右クランクケース 裏側。

一応ストローカー用の加工済みでした。

かなり適当でしたがまぁ大丈夫です。
左クランクケース裏側。

あれ?こっちはこんな加工必要だったかなと思いましたが・・・
クランクピンと干渉してケースが削れてしまってました・・・

なんでこんなとこ干渉するんでしょうか??

組む前によーく点検しておきます。。。








 こちらは77FX。

ピニオンベアリングが何かおかしなことになってました。。。

リテーナーリングはキチンとシャフトにハマってるのに何故にベアリングが飛び出してきてるのでしょうかと思ったら。。。
EVO純正クランクが組まれていました。

EVOはフライホイールとピニオンシャフトが一体型でベアリングのこの部分が交換できるように圧入されてます。

圧入されたアウターレースがズレてしまってました。
ちなみに正常な状態だとこんな感じです。

とりあえずレース抜いて新しいのに交換と思いましたが・・・

専用工具使うまでもなくスポっと抜けてしまいました・・・

シャフトがボロボロで減りまくってしまってるのでこれではレース新品買っても意味ないです。

こういう場合は機械加工でシャフト綺麗に研磨してその寸法に合わせてレースを特注で製作しますが。。。

今回はショベル純正のフライホイールに交換しました。。。

こちらやっとブログ初登場の九州のU様の70年FLH.

昨日5台分のクランクを加工終わらせる予定でしたがこちらの車両は左クランクケースにかなりの致命的ダメージがあったため一旦作業ストップしてどう直すかかなり悩み中です。

九州地方初のお客様だけにしっかり修理
して納車したいのですが・・・オーナー様、要相談。

さらにフロントシリンダー内部のこの左右の強烈な縦傷。


ピストンピンのサークリップが外れてしまってピストンもこんなことに。

サークリップの再利用はやめましょう。

その反対側はちゃんとクリップついてるのに何故かもっとひどいことになってます・・・

何故??










 この傷跡から察するにシリンダー内部のオイルリターン穴から落ちてきた異物を見事にキャッチしてこんなことになったのでしょうか・・・

しかしこの車両、アメリカから届いた時めっちゃ普通に調子よくマフラーからの白煙も全然なかったんですけどね・・・

開けてびっくりはさすがにもう慣れてますが限られた予算内でとなるとこれがまた悩みの尽きないとこです。
 ピストンがあんな状態なのでコンロッド曲がったりしてないかバラす前に点検。

曲がってはなかったですが何かネジれてるような・・・

画像ではわかりにくいですね。

これはバラしてからコンロッド単体の状態でよく点検しておきます。
 クランクケースはマッチングでした。
 何をどうがんばっても緩まなかったスプロケシャフトナットは怒りの果てにサンダーで切断。
 サンダーの火花でもウエスなどは引火しやすいので要注意の図。

スプロケットシャフトナットを締めたり緩めたりする時にインパクト使用してはいけませんと良く聞くと思いますが。なぜ駄目なのかの理由その1の図。

激しい振動で磁石剥がれちゃいます。

この理由その1は恥ずかしながら私、最近S先輩から聞いて知りました。。。

私的には理由その2を重視してインパクトは使わないようにしてましたがその理由はハーレーのクランク組んでる人にはさらに2つの危険要素がわかるはず。





それでは寝ます。

明日も早起きで頑張りますがどうやら明日は嵐のような悪天候らしいです・・・