2012年7月7日土曜日

オイルタンク内部の洗浄

エンジンオーバーホールを依頼された時は
オイルタンク内部の徹底洗浄も絶対条件にさせて頂いています。

サンドブラストした後とかオイルタンクの内部しっかりと洗浄するってのは
当たり前のように思われますがしっかり洗浄というのは実際物凄く大変な
作業です。

よくお客様からこういうのの洗浄にはどのパーツクリーナーがお勧めですか?

と聞かれますが、実際はどんな高級なパーツクリーナーを大量に使用したとこで
しっかり綺麗に洗浄できません。

ちなみに私は最後の仕上げの脱脂みたいな感じでしか
パーツクリーナーは使ってません。

 56FLのオイルタンク。

パーツ洗浄台で長いブラシ使ってひたすら何回も何回も洗浄しましたが・・・

最後に溶剤漬け置きしてみるとまだまだ粉粉がでてきます。

この56FLのオイルタンク内部の危険度大なのは以前からわかっていましたので

こうなったらどんなけ洗浄しても時間の無駄と言うことで。。。
 開けます。

見た目が元通りにできるように丁寧に綺麗にカットします。

 さっき本当に何度もしっかり洗浄しましたか?と聞かれそうなくらい。。。
 粉まみれのスラッジまだまだねっとりてんこ盛り。

コレぐらいのスラッジは特殊な超強力溶剤使用して数日数回に別けて漬け置き&煮沸すればわざわざタンクカットしなくても除去できますが。。。

一旦このネットリスラッジをブラシでごしごし綺麗に除去します。

その下にはさらに地層ですか?と言いたくなるくらい硬く固まったスラッジが大量に・・・
 それを今度は金属ブラシを使ってひたすらゴシゴシ磨き落とすと・・・

まだまだこんなに危険な物体が大量に残ってます。

ちなみにオイルタンクをカットした時の金属粉ではありません。
 コレはやばいでしょ。

4,5年前に他店でオーバーホールされた時はオイルタンク内部洗浄されたのでしょうか・・・。

今回エンジン開けた時にはここまでの金属粉が大量発生するほどの致命的箇所はそんなに無かったですが・・・

別にそのお店の悪口言う気は全く無いですがこんな状態でオーバーホール何回もして不調の原因をほとんどオーナー様の乗り方のせいにしてたのが何より許せません。

これなら何回オーバーホールしてもキリないですね。



で、頑固に固まりまくった金属粉混じりのスラッジもひたすた磨き落として。。。ここまでやればもう大丈夫!と思うかもしれませんが・・・

しっかり洗浄するためには内部の構造もきちんと把握してないとあきません。

パン、ナックルの純正タンクやそれのレプリカタンク等は底の鉄板合わせの角各所に出来る溝の中に金属ブラシでもなかなか取りきれない固着した金属粉がいっぱい・・・

これを先端がかなり細く鋭利な物でひたすらゴリゴリ。。。
はい、タンクカットしてあれほどひたすら洗浄してもまだまだ取りきれない金属粉がいっぱいです。

で、それらを全て綺麗に取り除けばやっと洗浄終わり。後は超強力錆び取り液にてタンク内部の錆び落とし。。。。と言いたいとこですがこのオイルタンク内部には中途半端に錆び止めコーティングが施されていたので・・・

できることならやりたくないですがサンドブラストにて錆と錆止めコーティングを除去。時間かかってしまいますが粒の細かいサラサラなガラスビーズでブラストしました。




それでもブラスト後の洗浄はこれまた大変です。
粒の荒いアルミナやウォールナットでブラストやってしもたらもう致命的。

あ、皆さんオイルタンク内部には錆止めコーティングはしないでくださいね! かなり危険です。

よくオイルタンクのクラックを溶接修理頼まれますが、その時内部確認してコーティングされてる場合は溶接修理はお断りさせて頂いています。

外側から超強力金属パテで修正するぐらいしかできません。




オイルタンクの内部洗浄だけでも結構大変ですがこれは本当に大切な作業なので
時間かかっても手抜きできません。


と言うかオイルタンク内部にこれだけ金属粉(粉というより・・・)がいっぱいあること自体が
すでに何かおかしいことなのですが・・・


で、最後の最後は。。。

以前48FLの時のように各部しっかり洗浄しまくったせいで
今まで漏れてなかったとこからオイル漏れが・・・

などと言う笑えないオチが無いようにタンクに浸透性の高い液体入れて
漏れが無いか現在点検中にてついでに休憩中。

で、オイルタンクは無事復活し現在塗装修正して乾かし中。

この手のタンクは歪まないように元通りに溶接し直すのが難しいです。。。